祖母は時計を修理する職人で時計屋を営んでいた。
昔からしわくちゃである祖母の手が頭に焼き付いてる。
この手でいくつもの他人の大切な"時"を
なおしてきた。そして女手ひとつで五人の子供を
育ててきた。9月に私がたまたま帰省した時、
急に祖母が遊びに来ることになった。
「認知症がだいぶすすんでいるけど来週で母さん
も90になるの」と母。その日、祖母が私の爪を
じっとみていた。マニキュアに興味あるのかな?
と思いためしに聞いてみた。
「ばーちゃんぬってもいい?」祖母は頷いた。
若い頃お洒落をすることもなくひたすら働いた
しわくちゃの手をそっととった。
「しっかりしてるね」と笑顔で指先を
何度も眺め嬉しそうであった。私も嬉しかった。
祖母がぬった初めてのマニュキアがOPIP62でした。